愛いっぱいCHU
私とお客様・・二人きり・・。

「・・・」

お客様は当然かのように私を抱きしめる・・・。

そして私の身を包んでいた制服を脱がしていく。

「あすか・・」

首筋に唇を這わせ、核心に迫ってくる。

何・・してんだろ・・私。

こんなことして・・。

何がそうさせたの?あの夜から・・?

そうよ、あの夜から・・私のすべてが崩れていった・・。

あの彰樹が首謀者なの・・?私にあんなことをした張本人なの・・?

でも、もう遅いよね。そんなコト言っても・・。

だって・・私・・汚れてる・・。

それでも許せない・・あの夜私に関わったすべての人間を・・。

「・・こっちむいて、あすか」

そうして私の『初仕事』は・・ここから始まる・・。








「あすかー、おはよーうっ」

昨日と同じ朝。

「お・・はよ、沙都・・」

笑顔で挨拶をしてきた沙都に私も笑顔で挨拶を交わした。

ただ・・こうして作り笑いをしても・・満たされない・・。

昨日、あれから私は『お客様』に気に入られ次も指名すると言われた。

憂鬱で仕方ない・・。その日がくると思うとゾッとする・・。

「おーーーっす、あすかっ」

学生カバンで頭をバシッてたたかれた。

「なっ、直哉」
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