愛いっぱいCHU
直哉が扉の前でへたりこんでいる私と目線を同じにして話しだした。

そんな直哉の顔はいつもとちっとも変わらない自信満々な、それでいて人をバカにしたような・・そんな感じだった。

私は・・直哉がすきだった。

そういう直哉がすきだった。

「お前がややこしく考えないように簡単に言ってやるよ」

「・・え・・」

冷酷な笑みをうかべる直哉・・恐ろしいけど・・。

これもつい数分前まで私がすきだった直哉・・。

「あの夜、お前をレイプしろって命令したのは俺だ。そんとき写真とるように言ったのも俺。それネタにウリやらせるように言ったのも俺。わかるか?このイミ」

・・・ショックで言葉も出なかった・・。

全部・・直哉が・・彰樹がやらせたことだと思ってたことすべて直哉が・・・。

ど・・どうしたらいいの・・?ねぇ・・。

「オイっ、あすかっ」

彰樹が私の隣で肩を叩く。

放心状態だったけど少し我にかえった。

「あのなー、俺も直哉もウラで売春の斡旋やってんの。お前、運ワリかったんだよ。直哉に目ぇつけられて」

運・・悪かった・・て・・

そんなんで・・そんなんで私・・。

本当に言葉が出ない・・。

今、何考えてんのかもわかんない・・。

そう・・なぜか私の頭の中では楽しかった直哉との日々の映像がかけめぐっていた。







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