愛いっぱいCHU
聞いていいのか悪いのか、とりあえず直哉とのことを聞いてみた。

先生に沙都と直哉の関係を聞いてオドロキだったけど、この後沙都に新事実を聞いてさらにオドロキになるとは・・今からでは想像できそうにもない。

沙都は私の方をちらっと見て苦笑いをし、こうなったら仕方ないな、といった具合で話し始めた。

私もその話しをじっくりと聞き入っていた。




「・・私とね、直哉は幼なじみなの・・」

先生に聞いた通りの答えだった。

でも、聞いたのはここまででここから先は知らない未知のことだ。

「幼稚園のときに直哉と出会ったの・・。直哉と私はとても仲が良くて、毎日一緒に遊んでた。それは小学校に上がった時も同じで、学校の行き帰りとかもずっと一緒だったの」

信じられない直哉の昔に私はただただ呆然だった。

あんな鬼畜なことするヤツでも普通の幼少時代を送っていたことを知ると少しホッとした。

・・が、この話の続きをずっと聞いていくとやっぱり普通の子供じゃないであろう結末が待っていた。

それはとても悲しく・・そして直哉の気持ちが手に取るように分かるお話・・。

でも沙都はまだその話には触れず、直哉とのたのしくすごした毎日について話してくれた。

「直哉はスポーツやっても一番、勉強やっても一番、そんな子だった。人望も厚くてひと言で言うとクラスの人気者かな・・。私はなにやっても人並み程度で・・たいして目立つ存在でもなくて、人気者の直哉と仲がいいのを妬まれたりしてた。直哉はとてもよくモテたからね・・」

直哉も意外だったけど、沙都の昔も意外そのものだった。

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