愛いっぱいCHU
私が直哉とつきあってた頃このアルバムを見ていたら・・きっと嫉妬で気が狂ってしまってたかもしれない。

それほどに沙都と直哉は仲良しそのものだった。

私はこんな直哉の顔・・みたことがなかった。

「・・・」

沙都はアルバムの写真を見ながら懐かしげに目を細め微笑みを浮かべ私に話しだしてくれた。

「ホントに優しいヤツだった・・。私がいじめられてたら助けてくれたし、何もかもを身代わりになってくれて・・本当なら私が怒られるはずなのに直哉が何でもかばうからいつも直哉が怒られたりして・・」

「沙都・・」

沙都の目は本当に懐かしげにものを語る。

私の想像しがたい過去。

「だからよ・・」

「え?」

私は何のことを言ってるのかわからなかった。

そしてその後、沙都が静かに本題に入る。

「優しすぎたの・・純粋すぎたのよ・・。だから信じてたものに裏切られたときのショックが大きすぎる。人のことが信じられなくなって・・そして人を裏切っていく・・そんな人間になってしまったのよね、直哉は・・」

どうゆうこと・・?

「ねぇ、沙都、わかんないよ・・。どうゆうイミ?それ・・」
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