愛いっぱいCHU
「それから担任は直哉をことごとくいたぶり続けた。今までの担任の姿がまるで嘘だったかのように・・。はっきりいって放課後は地獄を見てるかのようだったわ・・。私はその現状を知っていたけど直哉が誰にも言うなって・・きっとこのことが知れたら乱暴されていた子のこともしれてしまうからって・・」

直哉・・。

「今でもきっと直哉の体にはあのときに受けた傷が残ってると思う・・。それから当時直哉の親友だった子・・。成績がとてもよくて優秀で、とても頭のきれる子だったんだけど、担任に万引きの罪着せられて、受けるハズだった私立中学にも受験できなくなった・・」

「・・ひ・・どい」

私はその信じられない事実の話をじっと聞いていた。

酷いのひと言しか言えない・・。

「直哉はね、人を信じるとか、人に優しくするとか・・そうゆうことよりも人を裏切る、人を傷つける・・そっちの方が楽だと思ったのよ。自分が裏切られて傷つく前に人を裏切って傷つけようとするの・・。すべては自分を守るために・・」

・・自分を守るために・・。

なんて・・なんて悲しいの・・直哉・・。ねぇ。

中学時代、私があなたとつきあってる時・・直哉・・あなたは私が裏切ると思ってたの・・?あなたを傷つけると思ってたの・・?

・・今ではただそのことが悲しく思える・・。

「だからって私は直哉があすかにしたことを許すわけじゃない。最悪なヤツよ」

沙都・・。

一体どんな気持ちだったんだろう・・。

小さい頃から一緒で、だんだんと変わっていく直哉をみているのは・・。

私が直哉とつきあっていた頃に大反対をした沙都。

今なら・・よくわかる。

直哉の危なさを心配したからだけじゃない・・。あの頃の私にそんな過去を背負った直哉は重すぎる・・。存在が・・とても重たかったんだ・・。受け入れられるハズがなかったんだ・・。

恋に恋していた私には・・。

「直哉は当時親友だったヤツとつるんでるわ・・。昔ほど荒れてはいないみたいだけど・・」

・・当時の親友と・・今でも?

親友って・・まさか


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