空より青い
空より青い
僕は死ぬまでに、一体何を得て何を失うのだろう。
いや、この議題はきっと死ぬまで分からないんだろう。
なら今分かる事は何か?
それは、僕がこのまま生きていくと高校を卒業出来ないという事だ。
そして、卒業出来なかったら僕は死ぬ。肉体的にではなく社会的に。
そんな中、僕はどうしているかというと・・・・。
「一目惚れしました。付き合って下さい。」
恋路に勤しんでいた。
「ごめんなさい。」
そして玉砕していた。
2年生になってから2ヶ月と1週間、僕は通算6度目の敗北を喫した。
理由は誰も「貴方誰?」だった。それは仕方がない。
だって、その誰もが一目惚れだったからだ。そう、会話などのコミュニケーションを一切せず、ファーストアクションが告白だったからだ。
「そりゃいきなり告白したら無理だろ。まず話しかけて好感度あげないと。」
次の日。朝のホームルームが終わると同時に、友達の橘 竜二(タチバナ ユウジ)が僕の席に近づいて何を言うかと思ったら、いきなりのダメ出しだった。
「うるさいな・・。話すの苦手なんだよ。」
「だったら何で彼女つくろうとするんだよ・・・。」
竜二は僕の言葉を聞いて呆れたように頬杖をついている。そんな中僕は、廊下の方を凝視していた。
「おい、聞いてるのかよ?」
「綺麗だ・・・。」
「おい、まさかお前・・・また一目惚れか?」
竜二が今度は本当に呆れて聞いてきた。
「ああ、一目惚れした。僕はあの子に告白する。」
僕は、彼女に恋をした。