センセイと一緒 ~feel.Black~
一章
1.鈴菜の混乱
7月の初め。
鈴菜は進路指導室で柊史と面談していた。
国公立を志望した鈴菜は、和泉と同じく引き続き柊史が担任となる。
「やはりネックは数学だな」
「はい……」
はぁと肩を落とす鈴菜に、柊史は成績表を見ながら言う。
「お前の第一志望はK大の人文だったな。……判定はC、か」
「……」
「まずは、こいつをなんとかBに上げることを考えるか。とりあえず、今月からの補講は数学を取れ。あとは……生物だな」
「わかりました」
鈴菜は国語、社会、英語はわりとできる。
最もできないのは数学で、生物はそこそこといったところだ。
生物はほとんど暗記ではあるが、遺伝など数学的な考えが要求される部分が弱い。
数学の補講は月・木で生物の補講は火・金となる。