センセイと一緒 ~feel.Black~
13:00。
鈴菜は駅の案内板の前で、そわそわしながら柊史を待っていた。
さすがにクリスマスらしく、駅で待ち合わせをする人は多い。
……学校関係の人に見られたらどうしよう……
と思うと、ますます緊張する。
と、その時。
繁華街の方から長身の男性が歩いてくることに気付き、鈴菜は思わず背筋を伸ばした。
黒い細身のシューカットパンツにグレーのチェックのシャツを身に着け、上に黒のトレンチコートを無造作に羽織っている。
まるでモデルのようなその姿。
――――柊史だ。
鈴菜はその姿に目を奪われた。
月並みな言い方ではあるが、……物凄く格好いい。
しかし……
柊史はいつも眼鏡を掛けているが、今日は掛けていない。
どうやらコンタクトらしい。
それもあってか、学校での白衣の姿とは全く違う。
街ですれ違っても、ぱっと見柊史とはわからないだろう。
ぼうっと見つめる鈴菜の前に、柊史はゆっくりと歩きながら近づいてきた。