センセイと一緒 ~feel.Black~




「……おい、どうした?」

「あ、ううん。なんでもないよ」


鈴菜は慌てて首を振り、柊史を見上げた。

――――昔とは違う、二人の関係。

教師と生徒。

けれど今は……。


今だけは、恋人同士でいたい。

……今日だけで、いい。

きっと今日のことは、想い出として鈴菜の胸で一生、輝き続けるだろう。

鈴菜は手に触れた柊史のコートの裾を、きゅっと握りしめた。



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