センセイと一緒 ~feel.Black~
「……森下?」
目を見開き、足早に鈴菜の方へと歩み寄る。
その夜の海を映したかのような漆黒の瞳、少し長めの黒髪、白衣……
鈴菜はなぜか直視できず、目を伏せた。
……柊史も、大人だ。
鈴菜とは違って。
「どうした?」
「あの。……ちょっと、相談したいことがあって……」
鈴菜の言葉に、柊史は眉を上げた。
長い前髪を片手でかき上げ、形の良い唇を開く。
「何だ?」
「……」
あのことを相談しようと思って来たはずなのに……
弘子と付き合っている柊史からしたら、些細なことかもしれない。
それに……
今見てしまった光景が脳裏から離れない。