センセイと一緒 ~feel.Black~




柊史の言葉に、鈴菜は少し笑って目を伏せた。

やはり自分は妹のようなものなのだろうか。

弘子と同じ位置にいくことはできないのだろうか。


大人な柊史。

そして……教師でもある柊史。

本来であれば、生徒の自分とこうして二人だけで会うことなど、ありえない。

今日こうして、時間を作ってくれただけで嬉しいと思うべきなのだろう。

けれど……


「……」


本当は……。

自分だけを見て欲しい。

他の人など見ないで欲しい。

――――胸の奥から湧き上がる嫉妬と切望。

口に出すことはできない願い。


やはり自分はどんどん、我儘になっていく。

鈴菜はテーブルの端に置かれた水を一口飲み、内心で息をついた。



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