センセイと一緒 ~feel.Black~





なぜ柊史が突然怒り出したのか、よくわからない。

ひょっとして……

生徒である自分が、こんなことを望んだから……

大学に行っても忘れない、などと言ったから……

柊史は怒っているのだろうか?

鈴菜は混乱したまま、必死に口を開いた。


「あ、あのっ……ちゃんとわかってるから、私」

「……?」

「今だけだって……。卒業したら忘れるから。柊ちゃんには迷惑かけないから……」


と、言った時。

鈴菜は物凄い力で柊史に引き寄せられた。

胸に転がり込んだ鈴菜の顎に手をかけ、くいと上向かせる。

……その表情に。

鈴菜は息を飲んだ。




< 114 / 225 >

この作品をシェア

pagetop