センセイと一緒 ~feel.Black~
3.オレだけ見てろ
あれから……
タクシーがどこをどう走ったのかわからない。
鈴菜は柊史に抱きかかえられるようにタクシーを降ろされ、繁華街近くのマンションに連れ込まれた。
驚きのあまり身を強張らせる鈴菜の靴を乱暴に脱がし、そのまま薄暗い部屋へと連れて行く。
「……し、柊ちゃんっ!?」
「黙れ」
言葉とともに、肩を押され仰向けに押し倒される。
背に当たるスプリングの感触に、鈴菜は青ざめた。
――――まさか。
柊史が何をしようとしているのかを察し、鈴菜は必死で首を振った。
「や、やめてっ……柊ちゃんっ」
「……暴れるな」
バタバタと暴れる鈴菜の手を、柊史は軽々と頭上で一纏めにする。
鈴菜は目尻に涙を滲ませ、柊史の顔を見上げた。