センセイと一緒 ~feel.Black~
4.生きるということ
<side.柊史>
自らの体の下に横たわる、華奢な躰。
折れそうなほどに細い腰、涙に濡れた大きな瞳。
柊史は鈴菜の頬にそっと指先を伸ばした。
窓から月明かりが差し込む、薄暗い部屋の中。
……二人だけの部屋の中。
教師であることも、生徒であることも……
モラルも、理性も……
全て、壊れてしまった。
禁忌の一線を越えてしまった今。
……もう柊史には、鈴菜しか見えない。
ずっと柊史の心の中の、優しく温かいところにいた鈴菜。
遥か上空を、汚れのない美しい世界をふわふわと飛んでいた鈴菜。
――――その羽をもいだのは、自分だ。