センセイと一緒 ~feel.Black~



鈴菜は俯いたまま、ぐっと手を握りしめた。

混乱して自分が何を言っているのかよくわからない。

けれど。

……胸が、痛い。

そんな鈴菜の前で、柊史の瞳がすっと細められる。


「……白崎?」

「……」

「なぜあいつの名前が出てくる?」


言葉とともに柊史の手が鈴菜の肩を掴んだ。

ふわっと香る、甘くオリエンタルなホワイトムスクの香り。

その香りも、声も……

今はなぜか、……辛く感じる。

……だめだ、今自分はひどく混乱している。

鈴菜はぐっと唇を噛みしめ、口を開いた。


「……すみません、出直します」




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