センセイと一緒 ~feel.Black~
その美しい蝶は今、柊史の腕の中で輝く鱗粉を振りまきながら快楽に身をよじらせている。
そして、その輝きになすすべもなく溺れていく自分がいる。
もうどうしようもない。
この先がどんな未来であっても……。
運命は走り出してしまった。
もう、戻ることはできない。
誰かを本気で愛したら……
人は狂うのかもしれない。
そして、その時……
モラルも理性も常識も……何の歯止めにもなりはしない。
「鈴……」
柊史は鈴菜の頬にそっと口づけた。
惚けたような顔で、幼子のように目を瞬かせる鈴菜が、とても愛らしい。