センセイと一緒 ~feel.Black~




「落ち着け、鈴」

「……っ……」

「深呼吸しろ。……そう、いい子だ」


柊史に言われたまま、鈴菜ははぁっと息を吸い、吐いた。

そんな鈴菜をじっと見つめ、柊史は口を開く。


「鈴。……お前にまず聞きたい。お前はオレとのことは、高校にいる間だけだと思ってたのか?」


柊史の言葉に、鈴菜はしばし考えた後、こくりと頷いた。

――――それは、事実だ。

柊史はそんな鈴菜を見つめ、目を細めた。


「なぜだ?」


柊史は少し傷ついたような目で鈴菜を見る。

鈴菜は胸の痛みを覚えながら、弘子に言われたことをかいつまんで話した。

……鈴菜の説明の後。

柊史は大きなため息をつき、天井を仰いで目元を覆った。



< 134 / 225 >

この作品をシェア

pagetop