センセイと一緒 ~feel.Black~
その聞き慣れない単語に鈴菜は首を傾げた。
けれどどこかで聞いたことが……。
怪訝そうな顔をする鈴菜に、柊史は言った。
「避妊薬だ。……オレの方でも避妊はしたが、念のため飲んでおけ」
「……っ!」
鈴菜は目を見開いた。
……自分がした行為の意味。
それを突き付けられ、鈴菜は目から鱗が落ちる思いだった。
なんだか子供の世界から一気に大人の世界に行ってしまった気がする。
……しかし……
確かに今、妊娠するわけにはいかない。
鈴菜はアルミのガラから錠剤を出し、くいっとグラスの水で飲んだ。
ふう、と息をついた鈴菜の頭を、柊史がテーブル越しにさらっと撫でる。