センセイと一緒 ~feel.Black~
言い、踵を返そうとした鈴菜だったが。
その腕を柊史ががしっと掴んだ。
その力の強さに息を飲む。
「どこへ行く?」
言葉とともにぐいと腕を引かれ、鈴菜は柊史の胸に転がり込んだ。
はっと顔を上げる鈴菜の目前に柊史の端整な顔が迫る。
……色を帯びた黒い瞳。
逃げられない、瞳……。
鈴菜は呆然と柊史を見上げた。
「あいつと何かあったのか?」
「……っ」
「何があった?」
鈴菜の顔を覗き込む柊史の瞳。
鈴菜の心を見透かすような黒い瞳……。
鈴菜はなすすべもなく柊史を見つめていた。
……糸に、絡め取られていく。
危険だと分かっているのに……。