センセイと一緒 ~feel.Black~
「柊史。……ちょっと、聞きたいんだけど」
「……何だ?」
「あなた、……あの子に、結婚するって言ったの?」
弘子の言葉に柊史は驚いて眉を上げた。
あの夜に鈴菜から聞いた話を思い出し、内心でため息をつく。
……鈴菜に誤解を植え付けたのは弘子だ。
しかしちゃんと弘子に伝えてなかった自分にも非があることは確かだ。
柊史は前髪をかき上げながら口を開いた。
「あぁ。そのつもりだ。あいつが卒業してからだがな」
柊史の言葉を聞いた弘子の顔がみるみるうちに強張っていく。
弘子は柊史に近寄り、柊史の肩を掴んだ。
「……ちょっと、本気なの? 柊史」
「本気だ」
短く柊史は言った。
弘子の顔がしだいに歪んでいく。
弘子はぐっと柊史の肩を掴む手に力を込めた。