センセイと一緒 ~feel.Black~




「だめよ、柊史! そんなこと、絶対にだめ!」

「……弘子?」

「柊史、あなたは誰にも本気にはならない。……なってはいけないのよ!」


弘子は切羽詰まった声で言う。

……困惑と怒り、そして哀しみが入り混じった表情。

弘子がこんな表情をするのは初めてだ。

柊史は息を飲んだ。


「何言ってる? お前……」

「誰にも本気にならないと思っていたから、……私はずっと、体だけの関係でもいいって、そう思っていたのに……」


弘子は首を振り、俯いた。

柊史は弘子の態度が突然変わったことに驚きながら、弘子をじっと見つめていた。

が、やがてひとつ息をつき、そっと弘子の手を自分の肩から外した。



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