センセイと一緒 ~feel.Black~




「丁度良いわ。森下さん、ちょっと一緒に来てくれない?」

「……え?」


弘子は鈴菜の腕を掴んだまま、道路の方へと歩いていった。

手を上げ、通りかかったタクシーを捕まえる。

弘子は鈴菜を無理やりタクシーに押し込み、自身も乗り込んだ。


「き、京田先生!?」

「……駅前のエステートビルの前まで」


弘子は鈴菜には目もくれず、淡々とタクシーの運転手に行先を言う。

やがてタクシーはすーっと動き出した。

鈴菜は身を硬直させ、なすすべもなくタクシーの後部座席で揺られていた。




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