センセイと一緒 ~feel.Black~



弘子は携帯を取り出し、鈴菜の方へと向けた。

カシャっという音とともに、フラッシュが光る。

……まさか。

鈴菜は慌てて身を起こそうとするが、力が入らない。


「高校生がバーで淫行。……まさにそんな感じね?」


弘子は鈴菜の胸元を戻し、くすりと耳元で囁いた。


「もう言いたいこと、わかってると思うけど。念のため言っておくわね?」

「……」

「柊史と別れなさい。もし別れないようなら、この写真を校門の前にバラ撒くわよ?」

「……」

「もちろんこのことを、柊史に言うのもダメよ? わかったわね?」


――――それは、明らかな脅しだった。


鈴菜は驚愕のあまり目を見開いた。

……が、全身に力が入らない。

遠のく意識の中。

鈴菜は、弘子が部屋を出ていくのをぼんやりと眺めていた。

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