センセイと一緒 ~feel.Black~
4.気が狂っても・・・
放課後。
鈴菜は小テストの束を抱え、とぼとぼと廊下を歩いていた。
……まだ心の整理がついてないのに、柊史と会うのは精神的に厳しい。
小テストを渡したらすぐに教室に戻ろう。
と思いながら、鈴菜は理科準備室のドアをノックした。
「失礼します」
中に入ると、奥の自席に座っていた柊史が振り向いた。
鈴菜は柊史の前に歩み寄り、小テストの束を差し出した。
「……持ってきました」
「……」
柊史は無言でそれを受け取り、机の上に置いた。
いつもの黒く美しい瞳、少し長めの艶やかな髪……
鈴菜はなぜか柊史を直視できず、俯いたまま言った。
「……では、失礼します」