センセイと一緒 ~feel.Black~
柊史は熱を帯びた瞳で、至近距離からじっと鈴菜を見つめる。
……うっすらと汗ばんだ額、体から立ち上るホワイトムスクの香り……
力強い腕、白衣の下の厚い胸板……
柊史の全てが鈴菜を魅了し、心も体も惹きこまれていく。
まるで、蜘蛛の糸に絡め取られていくように……。
柊史はぼうっとする鈴菜を見つめ、唇の端で笑った。
「……言っとくけどな。お前が話さねぇ限り、明日のセンターには行かせねぇよ?」
「……っ!」
「もし話さなければ、このままオレの家に直行だ。センターも受験もどうでもよくなるくらい、お前を愛してやるよ」
「……っ、柊ちゃんっ……」
「下手したら気が狂うかもな? ……安心しろ、鈴。気が狂っても、オレが一生面倒見てやるから」
柊史は鈴菜の頬に素早く口づけ、掠れた声で耳元に囁く。
そのあまりの言葉に鈴菜は息を飲んだ。
……なんだかとてもまずい気がする。
このままだと、弘子の脅しより遥かにまずいことになりそうだ。