センセイと一緒 ~feel.Black~



<side.柊史>



翌日の土曜。

柊史は朝一で職員室へと向かった。

今日は3年生はセンター試験のため休みだが、1、2年は平常通りの授業となっている。

ガラッとドアを開け職員室に入ると、職員室の端の方の席に座っている弘子の姿が見えた。

すたすたと弘子のもとに歩み寄り、弘子を見下ろして腕を組む。


「……柊史?」


柊史の方から弘子に会いに来ることは、めったにない。

目を丸くした弘子に、柊史はうっすらと笑った。

……その、冷たい刃のような笑み。

柊史は弘子の机の上にあった携帯に目を留めると、それを素早く手に取った。


「柊史!?」

「……来い、弘子」


短く言い、柊史は踵を返した。

弘子はしばらく呆然としていたが、慌てて立ち上がり、その背を追った。



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