センセイと一緒 ~feel.Black~



1月下旬。

鈴菜は進路指導室で、センター試験の成績表を前に柊史と前期出願について話し合っていた。


「センターはまずまず、だな。この成績だと、B判定レベルか?」

「……」


鈴菜はセンターの成績表をじっと見つめた。

勉強の成果はそれなりに出たが、A判定を貰えるレベルには達しなかった。

けれどここまで来たら、もう志望校を変えたくはない。


「前期はK大学の人文で、後期はS大学の人文。……これでいいか?」

「はい」


鈴菜はこくりと頷いた。

もう迷っても仕方がない。

これまでの努力をなんとか形にしたい。

そんな鈴菜に、柊史は目を細めて微笑した。

< 197 / 225 >

この作品をシェア

pagetop