センセイと一緒 ~feel.Black~




「おーい、鈴?」

「……」

「だめだこりゃ……」


はぁと和泉は息をついた。

鈴菜はぼーっとしたまま、昨日のことをぼんやりと思い出していた。

……あの時。

まるで蜘蛛の糸に絡め取られるように……

何も考える余裕がないまま、鈴菜は柊史に惹き寄せられていた。

……やはり、危険だ。

柊史の瞳、声、香り、仕草、そして唇……

その全てが鈴菜を惑わせる。


『お前がオレの生徒である以上、オレはお前の将来に対する責任がある。その責任を放棄するようなことはしない』


つまり柊史は、学校では教師として接するということなのだろう。

けれど。



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