センセイと一緒 ~feel.Black~




鈴菜も大学に入ったら、自動車の普通免許は取ろうと思っている。

バイクまでは考えていなかったが……。

まじまじとバイクを見つめる鈴菜を、柊史がじっと見つめる。


「……なんだ? お前まさか、バイクの免許取るつもりじゃないだろうな」

「へっ……」

「お前はオレが後ろに乗せてやる。免許なんて必要ねぇよ」

「……」


言い含めるように言う柊史に、鈴菜は首を傾げた。

……よくわからないが、柊史は鈴菜がバイク免許を取ることに反対らしい。

今のところ、特に取るつもりはないが。

柊史は荷物を肩にかけ、鈴菜の手を取って店の入り口の方へと歩き出した。

……相変わらず強引だ。

けれど学校では見せなかったそういうところに、鈴菜はドキッとしてしまう。


「ご予約の黒瀬様ですね、いらっしゃいませ」




< 211 / 225 >

この作品をシェア

pagetop