センセイと一緒 ~feel.Black~




中に入ると、白いシェフ服に身を包んだ壮年の男性が愛想よく声をかけてきた。

キュイジーヌと看板に出ているだけあり、どうやら料理がメインの宿泊施設らしい。

男性に案内され、二人は3階の客室へと入った。

室内は地中海をイメージしたお洒落な家具でまとめられており、窓から海が見えることもあり、まるで海外にいるような雰囲気だ。


「ご夕食は19時からとなっております。それまでどうぞ、ごゆっくり御寛ぎくださいませ」


男性は簡単に部屋の案内をした後、深々と一礼して部屋を辞した。

鈴菜は窓辺に寄り、その景色にわぁと声を上げた。


「すごいね! ……あ、あそこに桟橋が見えるよ?」

「夕飯までまだ時間があるな。海の方に散歩にでも行くか?」

「うん!」


柊史の言葉に、鈴菜は目を輝かせて頷いた。




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