センセイと一緒 ~feel.Black~



19:30。

二人は1Fの海を臨むレストランで、夕食を取っていた。

――――前菜と飲み物が並べられた後。

二人はグラスを掲げ、乾杯した。


「……卒業おめでとう、鈴」

「ありがとう、柊ちゃん」


鈴菜を見つめる、柊史の優しい瞳。

鈴菜はその視線にドキッとしながら、グラスを傾けた。

鈴菜はまだ未成年なので、グラスに入っているのはノンアルコール・カクテルだ。

『シャーリー・テンプル』というレモンライムソーダがベースのそのカクテルは、カクテル初心者の鈴菜にも口当たり良く、美味しい。

お互いグラスを傾けたところで、柊史が口を開いた。


「ところで、鈴」

「……?」

「今度、お前のご両親に挨拶に行くから。そのつもりでいろ」

「……え?」


ぽかんとする鈴菜に、柊史は少し笑った。
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