センセイと一緒 ~feel.Black~



8月中旬。

鈴菜は夏の勉強合宿に参加していた。

勉強合宿は2泊3日で、日程のほとんどは講義だ。

朝から昼まで講義、そして昼食を挟み昼過ぎから午後7時まで講義。

その後夕食と入浴を済ませ、8:30から22時まで自習。

――――夜。

鈴菜は自習室で黙々とノートにペンを走らせていた。

開いているのは生物の自習ノートだ。


「うーん……なんでDNAが……」


鈴菜は頭を抱え込んだ。

……減数分裂のところがよくわからない。

見ると、自習室の教壇机のところに柊史が座っている。

聞いてみた方が早いかもしれない。

と思い、鈴菜はペンと自習ノートを片手に教壇机の前に寄った。


「……どうした、森下?」


柊史は鈴菜の姿を見、眉を上げた。

柊史は何やら難しそうな横文字の本を読んでいる。

鈴菜が自習ノートを差し出すと、柊史は本を置いてそれを覗き込んだ。



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