センセイと一緒 ~feel.Black~
これから先、どんな未来が訪れるにしても……
柊史と一緒ならどんな困難も乗り越えていける。
二人で約束した、同じ未来。
……約束の指輪。
――――あの遠い日。
ひぐらしの鳴く夕暮れの川辺で、鈴菜を見つめていた黒い瞳。
その瞳は今、鈴菜の一番近いところで鮮やかに輝いている。
黒く美しい漆黒の瞳。
……鈴菜の一番大切な人。
朝陽の中、二人を祝福するように窓から春風が入ってくる。
鈴菜はそっと目を伏せ、柊史の指に自分の指を絡めた。
[センセイと一緒 ~feel.Black~ 完]