センセイと一緒 ~feel.Black~
「……減数分裂か?」
「はい。このパターンがわからなくて……」
鈴菜の言葉に、柊史はしばし考えた後、鈴菜が手にしていたペンを取った。
一瞬触れた指先にドキッとする。
柊史はそれを見、鈴菜にしか見えない角度でくすりと笑った。
……どことなく妖艶な、大人の色気を感じる微笑。
その笑みにさらにドキッとする。
「……つまり、この場合は体細胞分裂ではなく、配偶子を作るために染色体が半分になる。ヒトの場合は23組の相同染色体を持つため……」
柊史は説明しながら、鈴菜のノートにさらさらと書いていく。
……とても読みやすい、綺麗な文字。
眼鏡の奥の長い睫毛、伏せられた黒い瞳……
あの時鈴菜の唇に触れた、形の良い唇……
思わずぼうっと見つめた鈴菜に、柊史が顔を上げる。
「……おい、聞いてるか?」
「は、はい」