センセイと一緒 ~feel.Black~
「いいね~。初々しい感じで」
オヤジか?
と突っ込みそうになった鈴菜に、和泉はくすりと笑って言う。
「でもあんまり刺激しない方がいいよ? 教師といえど、兄貴も男だからね?」
和泉の言葉に、ますます顔が赤くなる。
……ていうか刺激って……
刺激されているのはむしろ鈴菜の方だ。
柊史を見つめているだけで……なぜか胸がきゅっと痛む。
これまでに感じたことのない胸の痛み。
前に直樹に感じたものより、深くて痛い……そしてほろ甘い、胸の痛み。
「……」
鈴菜は深呼吸し、自習ノートを広げた。
……勉強のために来ているのに、これではまずい。
国立に受かるためにはひたすら勉強するしかないのに……。
鈴菜はぐっと強くペンを握り、自習ノートに向き直った。