センセイと一緒 ~feel.Black~
3.愛しい面影
<side.柊史>
22:20。
自習室にいた生徒たちはほとんど自室に戻り、まばらにしか残っていない。
柊史は本を読みながらちらりと部屋の様子を確認した。
見ると。
……鈴菜が机に突っ伏している。
今日、鈴菜は物凄い集中力で講義を受けていた。
国立を目指すという目標があるため、この勉強合宿にも気合を入れて臨んだようだ。
どうやら疲れて眠ってしまったらしい。
そして鈴菜の隣では、和泉が英語の教科書を開いている。
柊史とは半分しか血が繋がっていないが、自分と和泉は良く似ている。
外見が、というより物の考え方が、だが。
「……」
柊史は和泉の隣で寝ている鈴菜を、目を細めて見つめた。