センセイと一緒 ~feel.Black~




妹の笑顔に、柊史は胸の中である思いが生まれるのを感じていた。

……妹を、家族を守らなければいけない。

もう、妹をこんな目に遭わせてはならない。

ぐっと拳を握りしめる柊史の前で、鈴菜と和泉は楽しそうに話している。


――――自分がすべきこと。

それに向き合うきっかけをくれたのは、鈴菜だ。

鈴菜があの日、柊史にああ言ってくれなければ……

自分と和泉の間には、深い亀裂ができてしまっただろう。


そして、その後。

柊史は極力家にいるようにし、父親のDVから二人を守るようにした。

その頃には父親より柊史の方が体格も良くなり、やがてDVの頻度は減っていった。

そして和泉が小学校3年になった時、両親は離婚した。

それから柊史の母は再婚し、今は新しい夫と二人で仲良く暮らしている。



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