センセイと一緒 ~feel.Black~




柊史の言葉に、和泉は眉を上げた。

柊史と鈴菜をしばし見比べた後、楽しげにくすりと笑う。


「……ちょっと兄貴。鈴に何しようとしてんの?」

「何も。部屋に運ぶだけだ」


確か鈴菜と和泉は同室だったはずだ。

鈴菜を見下ろす柊史に、和泉は目を細めた。

……その、何か言いたげな顔。

柊史は眉根を寄せた。


「そ。……じゃああたしは、先に戻ってるよ。部屋番号は205。23時過ぎまで起きてるから」

「……」

「じゃあね~。あまり遅くならないようにね?」


言い、和泉は椅子から立ち上がりヒラヒラと手を振って自習室を出ていく。

……どうやら気を利かせてくれたらしい。

和泉に借りを作ってしまった、と思いながら柊史は鈴菜を見つめた。

そっと頬に手を伸ばし、指先で触れる。


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