センセイと一緒 ~feel.Black~




けれどそれをしてしまったら、自分自身を止められる自信がない。

一度そうしてしまったら、鈴菜の全てを奪い尽くさずにはいられない。

それが法に触れる行為だとわかっていても、多分自分はそうするだろう。

……というより、そうすることを確信している。


今は鈴菜にとって大事な時期だ。

鈴菜が大学に受かること。

今はそれが最も大事だ。


それまでは……

自分の全てで、鈴菜を守る。


柊史はそっと椅子を引き、鈴菜を抱き上げた。

……羽のように軽いその躰。

その唇にそっと口づけ、柊史は自習室を後にした。



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