センセイと一緒 ~feel.Black~
はぁと弘子はため息をついて言う。
鈴菜は無言で弘子の言葉を聞いていた。
……言っている内容がよくわからない。
なすすべもなく固まっている鈴菜の肩を、弘子は軽く叩いた。
「ひとつ、忠告しとくわね」
「……」
「柊史に本気にならない方がいいわよ。この高校にいる間だけ見られる、短い夢。……そう思ってた方が、卒業する時辛くないわよ」
弘子の言葉が鈴菜の胸に突き刺さる。
……短い夢……?
蒼白になった鈴菜の顔を、弘子は気遣わしげに覗き込む。
「あなたにとってはショックかもしれない。でも今知っておいた方が、後で知るよりいいと思うから、言うわね?」
「……っ……」
「柊史は誰にも本気にはならない。……私ね、大学の時から柊史を知ってるけど、昔からそうなのよ」