センセイと一緒 ~feel.Black~



昼休み。

夏の眩しい日差しの下、鈴菜は和泉とともに中庭で弁当を広げていた。

さすがにこの時期になると外で食べるには多少暑い。

汗を拭き、ペットボトルのほうじ茶を飲む鈴菜に和泉が横から箸を伸ばす。


「ウインナーおいしそっ。もーらい!」

「あっ、和泉っ!」


という叫びも空しく。

ウインナーは和泉の口に放り込まれていった。

むぅと眉根を寄せる鈴菜の弁当箱に、和泉はぽんと自分の弁当箱から小龍包を置く。


「はい、鈴。物々交換ね」

「……」


というかなぜ小龍包が入っているのか?

それにウインナーと小龍包では等価ではないような気もする。

まじまじと小龍包を見つめる鈴菜に、和泉はくすりと笑った。




< 4 / 225 >

この作品をシェア

pagetop