センセイと一緒 ~feel.Black~
短い夏。
限りある時間の中でひたすら恋をする。
……蛍のような恋。
まるで……自分のようだ。
つかの間の恋だとわかっていても、恋をせずにいられない。
「……っ……」
鈴菜は涙を拭き、歩き出した。
……日中は勉強に専念しているので、柊史のことを考えなくて済む。
というより考えなくて済むように、意識を無理やり勉強の方に向けていると言った方が正しい。
勉強に集中したせいか模試の成績はだいぶ上がってきている。
このままいけば第一志望の大学もB判定になるだろう。
鈴菜は鞄を持ち直し、家への道をとぼとぼと歩いていった。