センセイと一緒 ~feel.Black~
3.蜘蛛の糸
午後。
鈴菜は机に向かい、生物の授業を受けていた。
いつもの白衣にいつもの眼鏡、そしていつもの口調で柊史は授業を進めていく。
「……ではここで前回の復習だ。今日は火曜日だな。……では、森下!」
突然指され、鈴菜はひぃっと背筋を仰け反らせた。
そんな鈴菜に、柊史はどことなく楽しげな視線を向ける。
教壇から下り、物差しを片手にゆっくりと鈴菜の方に歩み寄ってくる。
「受容器と介在ニューロンの間を繋ぐのは何だ?」
柊史の質問に。
鈴菜は必死になって考えた。
確か、それは……
「運動ニューロン?」
「……」
はぁ、と柊史は息をついた。
うっと思う鈴菜の肩を、柊史は手にしていた物差しでぺしぺしと軽く叩く。