センセイと一緒 ~feel.Black~
和泉は意味ありげにくすりと笑う。
勘ぐられるのも慣れては来たが、はっきり言って付き合っていると呼べるのか疑問な状態だ。
あれから柊史と二人きりでは会っていない。
もちろん放課後や週末に外で会ったりすることもない。
やはり柊史にとっては本気の恋ではないのだろう。
教師と生徒。
……甘くない現実。
大分、割り切って考えられるようになってはきたが……
まだ正直、辛い。
けれど、だからと言ってこの恋を止められるかというと……
もう、止められない。
短い間でもいい、悔いのない恋をしたい……。
鈴菜は教科書を鞄にしまい、進路調査票を手に進路指導室へと向かった。