センセイと一緒 ~feel.Black~




和泉は意味ありげにくすりと笑う。

勘ぐられるのも慣れては来たが、はっきり言って付き合っていると呼べるのか疑問な状態だ。

あれから柊史と二人きりでは会っていない。

もちろん放課後や週末に外で会ったりすることもない。


やはり柊史にとっては本気の恋ではないのだろう。

教師と生徒。

……甘くない現実。


大分、割り切って考えられるようになってはきたが……

まだ正直、辛い。

けれど、だからと言ってこの恋を止められるかというと……

もう、止められない。

短い間でもいい、悔いのない恋をしたい……。

鈴菜は教科書を鞄にしまい、進路調査票を手に進路指導室へと向かった。



< 54 / 225 >

この作品をシェア

pagetop