センセイと一緒 ~feel.Black~



10分後。

鈴菜は進路指導室で、部屋の壁沿いに山のように置かれている大学のパンフや試験のパンフをぱらぱらと見ていた。

……と。

中にセンター試験の案内があることに気付き、鈴菜は手に取った。

出願期間は10月1日から14日まで。

そして本試験は1/15。

この日が実質、大学入試の一日目と言っても過言ではない。

鈴菜はぱらぱらと冊子をめくった。

と、その時。


「悪い、遅れた」


言葉とともに柊史が進路指導室に入ってきた。

その姿に思わずドキンとする。

その長身も、少し長めの黒髪も眼鏡の奥の美しい黒い瞳も……

鈴菜の目を惹きつけて離さない。


「そこのブースに入るぞ」

「あ、はい」




< 55 / 225 >

この作品をシェア

pagetop