センセイと一緒 ~feel.Black~



鈴菜は柊史に続いてAブースに入った。

ここでこうして柊史と面談するのも、もう何回目だろう。

柊史が担任になってから1年半。

柊史は鈴菜の進路について的確にアドバイスし導いてくれた。


『柊史は教師という仕事を愛してる』


弘子の言葉が脳裏に蘇る。

……きっとそうなのだろう。

外見は一見教師には見えないが、柊史は教師としては高い素質を持っていると思う。

昔から生物が好きで、いろいろなことを鈴菜に教えてくれた柊史。

きっとこの仕事を愛しているのだろう。

だから……


『教え子と本気で恋愛なんて、そんなリスク、侵すはずがないわ』


鈴菜はぐっと唇を噛みしめた。

……多分、そうなのだろう。

鈴菜も柊史にそんなリスクを冒してほしくはない。

柊史の人生を滅茶苦茶にするようなことは鈴菜も望んではいない。

きっとそれは柊史も同じだろう。

< 56 / 225 >

この作品をシェア

pagetop