センセイと一緒 ~feel.Black~
「まぁいいわ。学生か教師か知らないけど……どうせいつもの抓み食いでしょ?」
「……」
「でも学生を相手にするなら、気を付けなさいな。バレたら停職、配置転換、最悪は警察沙汰でクビよ?」
ぽん、と柊史の肩を叩き弘子は去っていく。
その背を見つめ、柊史は小さく息をついた。
ガラッとドアを開けて理科準備室に入り、コーヒーを淹れて自席の椅子に座る。
柊史はコーヒーを一口飲み、椅子の背に寄りかかって目を瞑った。
……脳裏に、先ほどの鈴菜の姿が浮かぶ。
甘露のように甘くて柔らかい唇。
少しでも力を入れたら折れてしまいそうな腰。
柊史を見つめる、潤んだ大きな瞳……。
「……鈴……」
柊史はため息をついた。