センセイと一緒 ~feel.Black~
三章

1.文化祭




10月。

今月の1日から14日までがセンター試験の出願期間である。

鈴菜は申込金とともに出願書類を職員室に持っていった。


「あー、はい、そこに出しといてね~」


事務のおばさんがカウンターの上のボックスを指差す。

鈴菜は言われた箱に書類と封筒に入った申込金を入れ、ふと横を見た。

職員室の壁に貼られたポスターに文化祭の案内が載っている。


「そっか、今週末か……」


去年の文化祭を思い出し、鈴菜は少し目を和めた。

冥土喫茶でウェイトレスをしたことを思い出す。

あの時。

柊史が火傷した自分を理科実験室に連れて行って、手当てをしてくれた。



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