センセイと一緒 ~feel.Black~




『……鈴!』


あのときの柊史の声、言葉……。

あの言葉で柊史との間にあった壁のようなものが、溶けていったような気がする。

そして今。

鈴菜は柊史に恋をしている。

……ひと時の恋。いつかは終わる恋。

そうわかっていても……

柊史を想うだけでこんなにも心が温かくなる。

柊史の傍にいると幸せを感じ、柊史にキスされると胸がドキドキする。

恋を知ることができたのは幸せだと思う。

この恋はきっと鈴菜の心に永遠に残るだろう。

……永遠。

美しくも切ないその響き。

鈴菜は踵を返し、教室の方へと向かった。


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