センセイと一緒 ~feel.Black~
「やっぱいいなぁ、これ。こそっと拝借して……」
「おいお前、何やってる? ホルマリンに漬け込むぞ、てめぇ」
柊史の言葉に、和泉はささっと鈴菜の傍に寄った。
鈴菜の耳元にひそひそっと囁く。
「ねぇ鈴。考え直した方がいいよ。やっぱ……」
「聞こえてるぞ、そこ」
柊史の声が飛ぶ。
鈴菜はくすくす笑い、二人を見た。
――――やはり兄妹、仲が良い。
鈴菜も春菜と仲は良いが、やはり姉妹と兄妹では多少違うらしい。
鈴菜の視線の前で、和泉は壁にかかった時計を見、声を上げる。